ハムの子にみる大根の月。
2005年6月3日 読書
「ハムの子」・・・うちのマミーと私の間だけで通じる言葉。
もう15年以上前、
私が小学校に上がるか上がらないかの頃だったと思う。
ある日の昼下がりに見たドラマである。
綺麗に研いだ包丁でハムを切る母親。
その側ではまだ小さい子供が駆け回っている。
そして今しがた切れたばかりのハムを目にし、
子供はついハムに手をだしてしまう。
その瞬間、ザクリ・・・
母親はハムではなく子供の指を切り落としてしまう。
病院に運ばれる子供の後を、
子供の指が入ったタッパーを抱え、追いかける母親。
子供だった私にはあまりにも衝撃的だったのか、
そのシーンだけは鮮明に覚えている。
そして、誰かが包丁を使う時は
その側に決して近づかないようにしていた。
時が流れ、その記憶も曖昧になっていた時、
私は偶然この本に出逢った。
中を読んでビックリ。
なんと、あの日の「ハムの子」が載っているではないか!
それは向田邦子の書いた「大根の月」という短編小説だった。
なんだか運命めいたものを感じると同時に、
とてもスッキリした気分になった。
即、うちのマミーにも報告。
その後も「ハムの子」の話題でしばし盛り上がった。
改めて読むと、
母親が指を切り落としてしまう、という単純な話ではなく
もっと奥が深いものだったんだと分かった。
それだけでない。
とにかくこの小説はすごかった。
どんな人間でも持っている心の奥底の暗い部分。
ふとした瞬間に見せるもろさや汚さ。
それをどこにでもある日常生活の中で
見事に魅せている。
自分も持っているその闇の部分を再認識し、
やはり後ろめたく思うと同時に
なんだか誰にも言えない秘密を共有したような、
そんな奇妙な嬉しさもあった。
始めて読んだ向田邦子作品がこれだったのだが、
私の愛読書の一冊に仲間入りっ♪
もう15年以上前、
私が小学校に上がるか上がらないかの頃だったと思う。
ある日の昼下がりに見たドラマである。
綺麗に研いだ包丁でハムを切る母親。
その側ではまだ小さい子供が駆け回っている。
そして今しがた切れたばかりのハムを目にし、
子供はついハムに手をだしてしまう。
その瞬間、ザクリ・・・
母親はハムではなく子供の指を切り落としてしまう。
病院に運ばれる子供の後を、
子供の指が入ったタッパーを抱え、追いかける母親。
子供だった私にはあまりにも衝撃的だったのか、
そのシーンだけは鮮明に覚えている。
そして、誰かが包丁を使う時は
その側に決して近づかないようにしていた。
時が流れ、その記憶も曖昧になっていた時、
私は偶然この本に出逢った。
中を読んでビックリ。
なんと、あの日の「ハムの子」が載っているではないか!
それは向田邦子の書いた「大根の月」という短編小説だった。
なんだか運命めいたものを感じると同時に、
とてもスッキリした気分になった。
即、うちのマミーにも報告。
その後も「ハムの子」の話題でしばし盛り上がった。
改めて読むと、
母親が指を切り落としてしまう、という単純な話ではなく
もっと奥が深いものだったんだと分かった。
それだけでない。
とにかくこの小説はすごかった。
どんな人間でも持っている心の奥底の暗い部分。
ふとした瞬間に見せるもろさや汚さ。
それをどこにでもある日常生活の中で
見事に魅せている。
自分も持っているその闇の部分を再認識し、
やはり後ろめたく思うと同時に
なんだか誰にも言えない秘密を共有したような、
そんな奇妙な嬉しさもあった。
始めて読んだ向田邦子作品がこれだったのだが、
私の愛読書の一冊に仲間入りっ♪
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