これから。

「スーツどんなのにしよっかな〜」
「髪このままじゃ駄目だよねぇ？？」

今日の授業中、後ろの女の子達が話していた。
そんな話を聞くたびに耳を塞ぎたい気分になる。
前に座っている寝癖のついた男は
SPIだの一般常識だのといった類の問題集を必死に解いている。

嫌でもこれが現実なのだと思い知らされる。

年明けにはみんな髪の色が変わっているだろう。
一人、また一人、授業を休んでは就活に勤しむのだろう。

私は何をしてるんだろう。

就きたい職がない訳ではない。
でもそれは競争倍率がアホみたいに高くて
今のままでは到底受かりそうにない。
なんの装備も無しにボンヤスキーに戦いを挑むようなもの。
こてんぱんにやられてしまう。

夢みたいなことだと分かっている。
もっと現実を見ろ、と言われてしまうかもしれない。
でもそこから逃げるわけにはいかない。

子供の頃
平々凡々とした生活を送る両親が不思議でならなかった。
「私はこんな生き方をしたくない」
ずっとそう思っていた。

でも今、その気持ちがよく分かる。
地元に帰って就職し、そこで新しい人生を送る。
住み慣れた町、親しい友人、そして家族。
なんて居心地がいいのだろう。

正直、揺れたこともある。

でも、やはり挑まずにはいられない。
この平穏な生活は、
私の中で「護り」であって「幸福」ではないのだ。

やれるとこまでやってみようと思う。
敗れたらその時考えればいい。
私はいつだってそうやって生きてきたのだから。

私もスーツ買おっと。
やっぱパンツよりスカートだよね。
あ、靴も鞄も買わないと。
正月、実家に帰ったら髪黒くするぞ〜！
しばらく茶髪とはオサラバだ。